カリフォルニア州・デラウェア州における会社の設立

マーシャル・鈴木総合法律グループ

● 会社設立に 必要な情報を 以下、 入力してください。  入力が 終わった後 「フォームの送信」 を押していただくと、 当事務所に 自動的に、 フォームが 送信されます。  会社の 設立についての 質問を ごらんになりたい 場合には、 このフォームの 末尾にある 「アメリカにおける会社について」を ご覧ください。

1) 連絡先情報を入力してください : 《連絡先が未記入だと返答できませんので、御注意下さい。》

名前
役職
組織
住所1
住所2
州(都道府県)
Zip Code (郵便番号)
電話番号(会社)
電話番号(自宅)
FAX
電子メール
URL

2) 会社名の候補を記入してください(候補を3つくらいあげてください) :

第一候補
第二候補
第三候補

※ アメリカでは通常Inc., Incorporated, Corporation, Corp. といった語尾が最後につきます。日本で言うCo., Ltd. のようなものです。

 例: Suzuki Trading, Inc. (語尾がInc.という場合には、Suzuki Trading, Inc.というようにInc.の前にコンマがつくのが基本的です。 なくてもかまいません。)

        Suzuki Trading Incorporated

        Suzuki Trading Corporation

        Suzuki Trading Corp.

以上の四例が一般的です。

できれば、最初の一単語は違うものにしていただくと3つのうち一つは会社名登録が出来ると思います。 登録に関しては当事務所がこのフォームを受け取り次第行い、リザーブができたものから

 よい例:            Suzuki Trading, Inc.

                            Transnational Suzuki Trading, Inc.

                            Japan US International Trading, Inc.

 

 悪い例:           Suzuki Trading, Inc.

                            Suzuki Transnational Trading, Inc.

                            Suzuki International Trading, Inc.

               

3)会社の名前が決定した後で、以下の内容を盛り込んだ、基本定款を当事務所が作成します:

会社名以外のすべての情報を記入してください。

会社名 (上記で決定)
会社の住所(定款用)
会社の目的(代表的なもの) (日本語で可)
役員取締役の免責 最大限の免責とするのが通常
発起人 鈴木総合法律グループとするのが通常

4)同時に会社内部の構成として以下の点を決定して、当事務所に情報を提供してください。

 ※ 下記、取締役、執行役員は同一人物がいくつ兼任しても良い。 極端には同一人物がすべて兼任することもよい。 また、アメリカに居住している必要はないが、秘書役に限り、書類への署名などが多いため、できればアメリカ在住の人のほうがコンタクトが取りやすい。 加えて、アメリカ人である必要はない。

● 取締役(Director) 最低一人、通常奇数人数、最大人数なし。 英語でお答えください (First Name, Last Name)

また、住所をお答えください(住所は、会社と同じものでかまいません。 日本でもかまいません)

例) Junji, Suzuki         220 Montgomery Street, Suite 900, San Francisco, CA  94104

名前 住所

● 取締役が複数いる場合にはChief of Boardという、いわゆる代表取締役が必要になります。 取締役と同じように、名前と住所をお答えください。

 

名前 住所

● 取締役に加えて、会社の執行役員が必要になります。

社長(PresidentまたはChief Executive Officer)

名前 住所

秘書役(Secretary)

名前 住所

会計役(Treasurer またはChief Financial Officer)

名前 住所

 ※上記、取締役、執行役員は同一人物がいくつ兼任しても良い。 極端には同一人物がすべて兼任することもよい。 また、アメリカに居住している必要はないが、秘書役に限り、書類への署名などが多いため、できればアメリカ在住の人のほうがコンタクトが取りやすい。 加えて、アメリカ人である必要はない。

 

5) 株その他の重要事項について 

● 株券の発行は、基本的にアメリカで銀行口座を開設し、その口座に入金し、その入金されたという伝票を当事務所に送付または持参ください。 確認しだい発行いたします。

 株式は資本金の額、それから一株の券面額を考えていただければよいです。

             例: 10万ドルの資本金 一株100ドルで、1000株。

資本金の総額  ドル
一株の額  ドル

 アメリカは最低資本金が設定されていませんので、会社の設立は1セントからでもよいですが、移民法によりビザを取得したいと考えるのなら、その絡みをかんがえておかなくてはなりません。 (移民法の絡みについては別にご相談ください、また一般的な情報はwww.jinken.comをご覧ください。)

● 株券の発行可能数の上限を決定しなければなりません (指示がない場合には通常100万株にさせていただきます。)

株式の発行可能数の上限

● 会社の住所

 基本的に会社の住所はカリフォルニア州になくてはなりません。

 もしなければ、300ドルの追加料金をいただければ(以下の連邦納税番号取得の代金も含む)当事務所に一年間は住所をおくことができます。

住所

● 会社の代理人(Authorized Agent for Service)

 会社の代理人を設定することが必要です。 個人でカリフォルニアの住所がなくてはなりません。当事務所では年額300ドル、または顧問契約を結んでいただいているクライアントに対して、当事務所が代理させていただいています。 この代理人は訴訟になった場合などの書類の送達を受けることを目的として設定されます。

名前

住所

6) 連邦納税番号の取得

 当事務所で番号の取得の代行をいたしますが、以下の情報が必要になります

●会社の役員一名の社会保険番号(Social Security Number)が必要になります。 (社会保険番号を用意できない場合には、鈴木淳司が弁護士として上記(5)を含んで代行いたします。 代行希望の場合には、Junji, Suzukiと以下に記載してください。) 

名前

ソーシャルセキュリティー番号

●会計年度の設定 会計年度を設立した月の前の月に年度末を設定しておくと、一年間分の納税までまるまる一年あり、節税になります。

会計年度の終わりの月

SS-4というフォームに秘書役の人が署名をしていただきます。

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お疲れ様でした! 以上で終了です。

質問等がありましたらinfo@marshallsuzuki.com までお願iいいたします。



《注意》連絡先が未記入ですと頂いた質問に返答できませんので、再度ご確認下さい。

 

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アメリカにおける会社について(Corporate Structure)

 

 日本からアメリカに出向になるということは皆さんや周りの人たちにも少なからず起こることです。 また、アメリカに行ってサクセス・ストーリーを自分のものにしたいなどと思われてアメリカに来られる方もたくさんいると思います。 会社で働くにせよ、自分で会社を経営するにせよアメリカにおける会社の構造を把握していないと、業務を円滑にこなしていくのに支障がでてきます。 アメリカにおける会社の構造は日本におけるのとちょっと違います。 税金や責任問題などとも連動するトピックですから、渡米前またアメリカに来たときには必ず目を通していただきたいところです。

 

質問

 

「最近、会社を辞めました。仕事を自営したいのですが、どのような会社形態があるのですか」

 

 この質問には詳しくどのような仕事をされるか書かれていないので、どの会社形態が、一番適当かということをお答えできませんが、いろいろなビジネスをする方法を考えていきましょう。その上で、ご自身でどの形でビジネスされるのが良いのか考えてみてくださいね。私は会社に関する法律を多く手がけていますので、ビジネスを新たに始める方のご相談にのることが非常に多いのですが、多くの場合、どのような会社形態があって、どのような税金問題が生じるのかといったことが話題に上がります。一言で、「会社」といっても、いろいろな業種があるように、法律上の会社形態にもいろいろな形があるわけです。

 では、俗にいう「会社」とは一体何なんでしょうか。アメリカの法律内で大きく分けると、個人営業、パートナーシップ、それに株式会社という形態があります。これらを総括して、「会社」と呼んだりもしますが、実際は大きな違いがあります。 

 まず個人営業から考えていきましょう。個人営業をSole Proprietorshipsと呼びますが、一番簡単にビジネスができる方法でしょう。 

 この個人営業をするには、パートナーとの間で難しい契約書を作る必要も無く、株式会社のように州政府からの許可や、定款の作成などの煩雑な作業を必要としません。個人営業をするには、各市や郡の政府から許可を得ればよいのです。この許可を得るには、役所に備え付けてある申請用紙に必要事項を書き込み、自分の選んだビジネスの名前(Fictitious Business Name)が、他の既存のビジネス名と似ていないかをチェックします。そして、郡や市によっては広告を新聞に出して、個人営業することが許されるのです。この申請代もそんなに高くなく、百ドル程度ですべてできてしまうでしょう。 

 この個人営業の許可を得ると、ビジネスの名前を使い商売ができることになります。簡単ですね。

 そんなに簡単なら、全部の会社を個人営業にすればいいんじゃないか、と思われる方もいるでしょうが、いくつか個人営業について考慮しなくてはいけない点があります。まず個人営業で商売を営む場合、商売上生じた負債はすべて個人の責任になってしまうという点です。この点、後述する株式会社などは、会社の財産のみが責任の対象となりますから、基本的に個人の財産まで商売上の負債がかかってくることはありません。株式会社のオーナーである株主は株式会社の商売上の負債に関し、個人的な財産から負担するということは基本的にはなく、株式に投資した額を上限として責任を負うことになるのです。これが株式会社の基本的な性質で法律用語で、株主有限責任の原則といいます。この点が、個人営業と大きく違う点なのです。また、個人営業は一人または、夫婦でしか許可が下りませんので、パートナーや株主が出資してビジネスをしたい時などはできないことになります。この出資面で個人営業は制限されてしまいます。あと株式会社などと違い、税金の面では、個人営業とその事業をしている人は同一とみなされていますので、税金申告も一つになるわけです。

 次に、パートナーシップと呼ばれるビジネスの形態を見ていきましょう。

 パートナーシップとは何人かの人がビジネスをする目的で集まり資金やノウハウを提供してビジネスをしていくことを指します。よく、レストラン業などを何人かの人が集まってビジネスをする時に使われるものです。個人営業に比べ、非常に有利なのが、複数人数で資金を出し合ったり、アドバイスをし合ったり、自分が得意な分野で他のパートナーの弱い部分をカバーしたりすることができることです。税金については、個人営業と同じで、パートナーが一人ずつ個人の税務申告をすることとなります。株式会社などでは別の税務申告が必要ですから、この点、簡易に申告ができるというメリットはあります。また、株式会社などと違うところは、政府に登記する必要がないという点です。つまり、登記に必要な書類などもいらず、登記の費用も必要ないということです。

 このように、パートナーシップも個人営業と余り変わりなく、ずいぶん簡単にそれも複数の人数でビジネスができることは確かですが、実はパートナーシップについては個人営業や、株式会社と違いいろいろ考えなくてはいけない問題があります。パートナーシップというのは、株式会社が株式という形式(次回以降に詳しく書きます)や個人営業における自分自身に頼るのではなく、パートナー同士の個人的な関係に頼るというところで問題が生じやすいということです。実際パートナーシップがうまく行っているという例を余り聞いたことがありません。正直言って、ビジネスですからお金が絡むと信用関係にひびが入るなんてことも結構あるようですし、 私が扱った事件では、一人のパートナーを最初から計画的に追い出すように仕向けていたなんていう例もありました。一番大事なことは、もしパートナーシップを作るのであれば、絶対的に信用している人と組まなければなりません。資金の関係でのみ会った人物とかとビジネスを始めるのなら、株式会社や次回以降説明するLLCなどにした方が無難です。ビジネスの関係だけならしょうがないという場面もありますが、多くの場合友人関係にまでひびが入ったりして、良いことはありません。

 さて、私自身余り勧めないパートナーシップですが、どうしてもこの方法でビジネスをしなければならない状態になったら、絶対に法律的に正しいパートナーシップの合意書を作ってください。口頭だけでの約束事ではもちろん不十分です。私は素人が作ったパートナーシップ合意書でひどい目にあっている人を何人も見ています。必ず、中立な弁護士などを中に入れて合意書を作成してください。合意書の中で、特に気を付けなければいけないのは各パートナーの持ち分及び決定権、それに収益や損害の配分、毎日の事務の分担、それにパートナーが死亡したり辞めたい時にどのようにするかを明記することです。とにかく、パートナーシップの合意書に署名する前に、一息いれて、法律の専門家に相談することをお勧めします。

 また、先に考えた、個人営業というビジネス形態で一番の弱点と思われるのが、ビジネスで負債が発生した場合、個人も責任を取らなくてはいけないと説明しました。この点、パートナーシップでも変わりなく、個人の財産までもビジネスの負債に割り当てられる危険性がありますので、特に訴訟の問題が生じやすいビジネスでは、保険でカバーするなり、他の形態にすることも考えてください。

 この個人にかかってくる責任問題を回避するためにいろいろな形のビジネス形態が存在します。株式会社の場合、株主の責任はその株券を買うために払った額を上限として責任を負いますが、その株価を上回って責任を負わされるということはないわけです。これを株主の有限責任といいます。この株主の有限責任が株式会社のカギだと考えてください。

 株式会社において、何か事故や、負債などが生じた場合、その責任は会社が負うことになり、個人の責任は追求されません。後述しますが、LLCと呼ばれる会社形態もこの有限責任によって、個人が守られているのです。以下、考えていきましょう。

 まず、株式会社について考えていきましょう。株式会社を設立するには、個人営業やパートナーシップよりも少々複雑な過程を経なくてはなりません。なぜなら、州政府より定められた方法を遵守しなければならないからです。また、設立に必要な書類も複雑です。ここでは、どのような書類が必要かという形式的な問題を考えることは避けますが、あまり、会社関係の法律に詳しくない場合には専門家に相談してください。同じように、個人営業やパートナーシップと違い、株式会社においては税金の問題が少々複雑になります。株式会社は通常独自の所得税を払わなければいけませんから、税金に関しては個人の分とあわせて、二つ書類を用意しなくてはならないからです。ただ基本的に、二つの書類を用意して、二重に税金を払わなくてはいけないかというとそういうこともありません。いろいろ方法がありますが、次回以降考えていきましょう。この税金に関して、個人と会社の二つ用意しなくても、個人の分一つで間に合わせられるという株式会社があります。S Corporationと俗にいわれるものです。これは、株式会社で得た収入がそのまま個人の収入と税法上みなされるものです。小さなビジネスなどには有用ですが、ビザのみを持っている日本人はつくれません。 

 では、株式会社の構造を考えていきましょう。よく日本からいらした方々や、会社について余り詳しくない方が、日本における株式会社とアメリカの株式会社において会社の構造(特に取締役や俗にいう社長という地位)をごちゃごちゃにしているのを見受けます。ぜひ今回の法律ノートで、日米の株式会社の違いについて把握してください。特に日本人がアメリカでビジネスをする際、会社構造の違いを知っておかないと大変なことになりかねません。アメリカと日本の会社構造を以下それぞれ考えてみましょう。

 アメリカの会社というのは、まず大きく分けて取締役会(Board of Directors)と会社の役員(Officers)に分けられます。取締役会というのは会長(Chairman of the Board)とその他たくさんの取締役(Director)によって構成されています。この取締役の定員や選出方法は後述する付随定款(By-laws)に明記されています。通常取締役や会長は名誉職で役員を監督する役目をもちます。直接経営にはかかわりません。経営にはかかわらないかわりに、役員である社長(PresidentとかCEOとか呼ばれる)、副社長(Vice-president)などを選出します。この役員を選出する方法はBy-lawsに書かれています。

 取締役会によって選出される役員には社長や副社長に加え、会計役(Treasurer)および秘書役(Secretary)と呼ばれる役職があります。会計役は会社の財務を担当し、秘書役はその他の法律的な文書に署名するなどの職務を担います。この、役職を持った役員が実際の経営をしていくわけです。社長というのは、取締役会の監督のもとで経営を行いますから、社長の選任などに問題があった場合、取締役会も責任を負わなくてはならないわけです。例えば、会社の社長が、何年にもわたり会社の財産を個人の利益のために不正使用したような場合、その会社を経営している社長は責任を逃れないことは明白ですが、その不正行為を何年にもわたり許したり、また同じように会社の財産を悪用したりした場合、取締役会も会社の持ち主である株主に責任を取らなくてはいけないことは明白でしょう。

 日本では取締役会が会社役員を監督するという機能はありません。まず、会社には取締役会という一つの会があり、その中に、会長、社長、副社長、取締役、役付取締役などが存在します。会社を代表する権限のある取締役のことを代表取締役と呼びます。この代表取締役がどの程度会社を代表できるかは各会社の定款によって定められます。ではこの取締役会をだれが監督するかというと、監査役と呼ばれる役目の人が、金銭面をチェックしているのです。このように会社内の監督機構の面において、アメリカと日本ではだいぶ差がある訳です。

 次に株主について考えると、株主というのはアメリカ日本とも基本的には同じ権利を有しています。まず、株主が会社の持ち主であることは普遍です。株主は会社の持ち主として株券の交付などを基本に出資します。自己の持ち株に基づいて、配当を受けたり、会社の代表を選任したり、罷免したり、会計報告書類の提出を求めたりすることができるのです。

 

 

 アメリカで株式会社を作る場合、特に中小企業や個人で事業をはじめたい場合にはいろいろな問題があります。上述したように、アメリカの株式会社には取締役(Directors)と役員(President, CEO, Secretary, CFO)といった人々が必要であると書きました。個人や、二、三、人の仲間で株式会社をはじめようと思うと、だれをどのような役につけるかで悩まれることもあるかと思いますが、基本的に一人でDirectorと役員を兼任できますので、問題はないです。Direcetorは最低で一人いればよいのです。ですから、少人数でも株式会社を作ることは何ら問題はありません。ですから、少人数でビジネスをするという場合にパートナーシップだけではなく株式会社にできるというオプションがあることを覚えておいてください。よく、株式会社を作りたいと思っていても作った後で、非常に面倒な作業がたくさんあると思われている方がいらっしゃいます。確かに、株式を一般に公開する場合複雑ですが、大部分の株式会社は家族や友人の間で作られることが多いので株式譲渡の制限があるのが普通ですから、毎年やらなくてはいけないこととしては、株主総会や取締役会という名目の会合があります。しかし、実際問題として、これらの会合は書面によって代えることができますので、株式会社を経営していく上では問題とはならない訳です。

 それでは、個人や少人数の人たちが集まり株式会社を作ったとして、税金の問題が出てきますね。株式会社における税金の問題は複雑です。税金については別の機会に譲ることにしますが、ここで、よく聞かれる質問を考えておきましょう。それは株式会社が個人と独立して税金を払わなければいけないことから、税金を個人と株式会社の二回取られてしまうのではないかと懸念される方がいます。実際株式会社は税金を払いますが、ほとんどの場合、その株主でもある個人は役員でもあるわけです。役員であればその仕事に対して報酬が支払われます。その報酬は会社に対しては控除の対象ですから、個人にかかる所得税のみということになるのです。 

 次に、最近注目されているリミテッドライアビリティーカンパニー(以下「LLC」)というビジネス形態を簡単に考えていきましょう。  で個人営業について考えた時に、個人営業で有利な点は株式会社を作る場合と違い納税の申告書が一つで良いということをかきました。なぜなら、個人営業として得る利益は個人の税金申告にそのまま反映されるからなのです。しかし個人営業やパートナーシップではその経営者が無限に責任を負う可能性があることも書きました。株式会社では で お話したようにオーナーである株主は株主の有限責任によって守られているのです。LLCはこの個人営業にある一つの税金申告で済むというメリットと、株式会社にある株主の有限責任というメリットを合わせ持ったビジネス形態なのです。小さなビジネスでもLLCにすることは可能なのでぜひ利用されると良い形態のビジネスだと思います。設立の方法は株式会社と似ています。まず州にArticle of Organizationという書類をもって申請するのです。 また、最近の法改正で個人営業の場合にもLLCが使えるようになりました。

 

質問

 

 「私はものを日本から輸入するビジネスを始めようと思っております。趣味もかねているのでできれば資金をできるだけ少なくして始めたいと思っていたところ、名前を登録すればビジネスができると聞きました。詳しく教えてください」

 

 さて、ビジネスを始めるのにまず皆さんどのようなことをお考えになりますか。株式会社の設立といったことをお考えになるのではないでしょうか。会社にもいろいろ種類がありますから、ビジネスの形態にもいろいろ種類があるわけです。株式会社だったり、パートナーシップだったりするのです。 

 それでは、個人経営に限ってその詳細について考えていきたいと思います。個人経営とはいわゆるビジネスの名前、商号を持ち、まったくの個人でビジネスをすることを指します。ですから、会社を「設立する」という感じではなく、自分が芸名をもって、その芸名でいろいろな取引をするのが個人経営だと考えてください。

 例えば、私がたこ焼きをアメリカで売りたいと思いますよね。そのとき、店に「鈴木淳司」という名前を付けるのは無謀だと思いませんか。たこ焼き屋だとはだれも思ってくれませんからね。そこで「たこじゅんじ」という名前を店に付けたとしましょう。そうするといろいろ宣伝するにしろ、材料を買うにしろ、銀行と取引するにせよ「鈴木淳司」よりも「たこじゅんじ」の方が便利なわけです。もちろん株式会社をつくって「たこじゅんじ」で登記することもできます。しかし、自分でたこ焼きを売るだけのために会社を設立するというのもお金がかかるし手間もかかりますから、「たこじゅんじ」という商号だけを登録してビジネスを始めたいと思うわけです。そこで、個人経営のために商号登録の必要性がでてくるわけです。

 この商号登録は個人名、株式会社名などとは違った名前で商売をしたいときに使われます。私の名前は「鈴木淳司」ですから「たこじゅんじ」は私の個人名と違いますね。ですから登録する必要があるのです。このビジネスをする上で、自分を表すために用いる名称を商号(Fictitious Business Name)と呼びます。この商号はビジネスをする際に、カリフォルニア州内で日常的に使われるようになってから四十日以内に登録しなければなりません。ですから、使おうと思ったらすぐにでも登録された方が良いでしょう。もし、商号を登録していない場合、銀行が商号を使った口座を開いてくれないなど、弊害がでてくるのです。

 商号を登録する場所は、皆さんが主にビジネスをする郡を司る役所です。もし私が「たこじゅんじ」をサンフランシスコで始めたいと思ったら、登録する役所はサンフランシスコ郡(市)の役所です。もし、カリフォルニアのいろいろな郡でビジネスをする計画がある場合には、州都の役所に登録すれば良いことになっています。個人名と商号の違いについて分かっていただけましたか。 

 

 それではどのような書類が必要で、どのような形式を踏まなくてはならないのでしょうか。まず、郡の役所に用意されている申請書に記入しなくてはなりません。郡によって申請書の形式が違うかもしれませんから、事前に役所に問い合わせて申請書を取り寄せたり直接もらったら良いでしょう。申請書に記載しなければならない情報はどこの郡でも五十歩百歩です。まず、使いたい商号、つまりビジネス名を決定して記入しなければなりません。ここで気をつけなければいけないのは、他のビジネス名と同じまたは酷似していてはならないということです。ですから、登録の際に、既存の商号をチェックしなければなりません。データベースは各役所に完備されていますから、そこでチェックする必要があります。もし他のビジネス名と同じ名前や酷似した名前を使用した場合、後々、商標権の侵害問題が発生しかねませんから気を付けてチェックしてください。商号に加えて、どこで主にビジネスをするのか、つまりビジネスの所在地が必要です。また、ビジネスのオーナーがだれであるかを記入する必要があります。加えて、ビジネスを開始した(または将来開始する)日、また登録しようとしている商号を最初に使用した(または将来使用する)日を記入する必要があるでしょう。それからもちろん署名も必要ですね。

 この申請書を提出した日より三十日以内にカリフォルニアにある新聞に、上記の情報を広告として出さなければなりません。広告は最低一週間に一度、それを四回続けて出さなければなりません。新聞社もこのことを良く心得ていますので、手続きは簡単です。その広告が四回掲載された後、三十日以内に、広告を出しましたよ、という旨の宣誓書を広告のコピーと一緒に役所に提出しなければなりません。このプロセスに必要な金額は二百ドルに満たないくらいでしょう。

 この商号の有効期限は五年間ですから、五年ごとに更新手続きをしなければなりません。もし、上述の申請書に書いた情報に変更・訂正がある場合には変更のときから四十日以内にその旨を届け出なければなりません。この届け出が完了すれば、正式にビジネス名を使えることになります。個人名だけではなく商号を使いビジネス名で商売をすることができるのです。また、銀行にいってビジネス名で銀行口座を開けますし、看板などにもビジネス名を使うことが許されるのです。前回、鈴木淳司がたこ焼を売る計画(もちろん架空ですよ!)を立てていましたが、上述の商号登録を済ませれば、晴れて「たこじゅんじ」の看板を掲げ、ビジネスをすることができますし、銀行の取引もできるようになるのです。電話に出るときも「鈴木淳司」ではなく「たこじゅんじ」を名乗ることができますし、名刺も作れますね。

 前回も少々言及しましたが、個人ビジネスは、経営者個人が全責任を負うことになりますから、何らかの危険が伴う場合には、ぜひ株式会社を設立するなり、保険を買うなりして対処してください。ただ、簡単なビジネスを始めたいと思われる皆さんには費用も余りかからないですから、ぜひ個人ビジネス名の登録をオプションとして考えておいてくださいね。

 

質問

 

「最近日本から来ました。 アメリカでビジネスをはじめたいと思っていますが、外国人ではアメリカで株式会社(Corporation)をはじめることはできるのでしょうか」

 

 確かに日本からいらしている皆さんは何らかのビザかビザ無しの観光かで入国されている方々が多いのではないでしょうか。 例えば、学生ビザであるFビザや就労ビザであるHビザLビザなどが代表的なものです。 学生ビザを持っている外国人は、アメリカ国内で雇用され収入を得ることは許されていませんし、Hビザを保持していても特定の雇用主以外のところで就労することは許されません。エネルギーが有り余っていたり、いろいろビジネスのアイデアがある方には窮屈かもしれませんね。 もちろん、一生懸命勉強したりすることも大事ですが、中には質問をくださった方の様に、外国人でもアメリカで会社を起こしてみたいと思われる方もたくさんいられるのです。 わたしも会社関係の仕事は多く、たくさんの個人的な質問を受けます。

 まず答えから言うと、どのような人でも、会社を設立することはできます。変な話、ビザにはこだわらずに、設立することはできるのです。そして、外国人でもその会社の持ち主(いわゆる株主)になることはまったく問題ないのです。 自分で会社をつくらないにせよ、外国人でも、アメリカの会社の株を持っている方はたくさんいるのではないでしょうか。 もちろん実質的に、いろいろ考えていかなくてはならない問題はたくさんあります。 しかし、基本的には会社をつくってオーナーになることは可能なのです。

アメリカは日本の様に最低資本金一千万円というような法律はないですから、日本に比べて、株式会社の設立はそんなに大変なことではありません。 ですから、将来、ビジネスを展開したいと思っている方などはあまり悩まずに株式会社を設立されています。 

 外国人が株式会社を作るときに、いくつかネックになるところがありますが、私はプロですからうまく回避させたりします。 例えば、設立するときにできれば一人ソーシャルセキュリティーのある人がいると便利です。 会社の納税番号をもらうときなどに必要となるからです。 それに、カリフォルニア州で会社を作る際にはカリフォルニア州内にひとつ住所がなくてはなりません。 何らかの通知を受け取る場合の、届け先が必要だからです。 また、少なくとも永住権を持たない場合、ちょっとコンセプト的に難しいのですがSCorporationという形態の株式会社の持ち主になることはできません。 普通の株式会社はC Corporationと呼ばれていて、これと区別されますが、違いは税務面にでます。

 それから、良く聞かれる質問ですが、アメリカに会社を作ったとして、その会社にスポンサーになってもらって、就労ビザを発給してもらえるかどうかという問題があります。 ただ単に会社を作るだけではビザの発給は難しいかもしれませんね。 会社がスポンサーになるものに、EビザやHビザそれにLビザといったものがありますが、投資をある程度の額していたり、日本との通商を多くしていたりする場合にはEビザ、専門的な職業であればHビザ、日本に親会社があるならLビザなどが考えられます。 ビザの詳細は、このコラムで取り上げるまではちまたにあふれている記事でも読んでおいてください。

とにかく、会社を大きくすることが先決です。 ある程度の大きさになった場合には、ビザのスポンサーにできる可能性もぐぐっとアップします。 特に最近では、私の得意とするインターネット系の会社にはめざましい成長を遂げているお客様もいます。 もちろん、会社を経営していくにはいろいろな角度から商売を考えなくてはなりません。 物の売買や人を雇うことなどは気をつけなくてはなりませんね。 ただ、株式会社を作っておけば、有限責任の原則といって、個人的な責任を回避できるので、ある程度安心感は個人営業に比べて得ることができます。 これから、会社を作ってがんばろうと思っている方々はぜひがんばって大きくしてくださいね。 大きくされたあかつきには、鈴木淳司を顧問弁護士にすることをお忘れなく。

   

質問

 

「わたしは日本から来た留学生です。卒業を間近に控え、将来を考えていますができれば会社を設立して、コンピュータ関係の仕事をしていきたいと思っています。 しかし、学生ビザしかないために、卒業してしまったら日本に帰らなくてはなりません。 何か方法はないものでしょうか」

 この質問をされた方のように学生さんでも将来の夢を持ち、アメリカでチャレンジしていきたいと思われている方もたくさんいるはずです。 わたしは法律の観点からという限られた視点からしかバックアップはできないのですが、応援しています。

 この質問をくださった方のように、アメリカで会社をつくりたいと思われている方もたくさんいるかもしれません。 株式会社は日本に比べて設立の方法が緩やかですから、外国人でも簡単に会社を設立することができます。 この部分はまったく問題がないでしょう。 どんな人だってアメリカの会社の出資者になれるのです。 例えば、大きな株式公開をしている会社の株を買うことがだれにだってできますよね。 それと同じです。 ですから、会社をつくることには問題はまったくありません。

 問題はビザなのでしょうね。 アメリカ合衆国のビザに関して働くビザはある程度限られています。代表的なものとして、Eビザ、HビザそれにLビザなどが考えられます。 もちろん永住権がしゅとくできればそれに越したことはありませんが、学生ビザから永住権を取得するのは簡単ではありません。アメリカ市民と結婚でもすれば別ですけどね。 もちろん、働くビザに関しては簡単に取れるものではありませんが、取る方法はたくさんあります。 よく相談される方の中には「アメリカの就労ビザの取得が一段と難しくなった」といわれる方がいらっしゃいますが、何を基準にそう考えられるのかがわからないときがおおいのがほとんどです。 もちろん、不法労働者に対する扱いは厳しくなりましたが、それはもっともなことですし、法律的に「厳しくなった」ということはあまりありません。 それは、ある一種の言い訳に使う人が多いように思います。

 働くビザを自分の会社で取得することは不可能ではありません。 ちゃんと会社の実体を作り、投資や貿易をすればEビザが取得可能ですし、Hビザだって取得できるでしょう。 Eビザを取得したいと考える場合には一定の投資、または一定の日本とアメリカ間の商売が確立していなくてはなりませんが、内容によってはある程度リーズナブルなレベルでの取得が可能です。 弁護士によっては何千万円にも上る投資が必要とアドヴァイスすることもあるらしいですが、それは間違っています。 基準は、将来的にどのようにビジネスを広げられるか、また実質的に商売を継続できるかということに重点を置くべきなのです。 移民局にしたって、投資が高額でも、実質的に商売をしないビジネスであれば疑います。 当たり前ですよね。

 そうすると非常に大事になってくるのがビジネスプランです。 ビジネスプランがしっかりしていれば、ビザの取得に違いが出てくるのが現実です。 専門家の意見を聞いてしっかりしたプランづくりをする必要がありますね。

 加えて、ビジネスをすでに始動させた状態でビザを取るのが好ましい場合があります。 一旦実質的にビジネスをはじめると実績を提示することができますから、特にHビザを取得したい場合などには非常に有利になります。

 ですから、今回の質問をされた方のように会社をはじめてビザを取りたいと思われるのであれば、まずしっかりしたビジネスプランをつくり、実体のある取引ができる環境を整備していくのが最優先だと思います。 信頼できる会計士や弁護士を味方につけてがんばってビジネスを成功させてくださいね。 学生ビザだからといってあきらめることはありませんが、しっかりしたアドヴァイスをもらうことをお勧めします。

   

質問

 

 「日本にいる人でも、アメリカの株式会社の役員や社長に就任することができますか」

 

 報酬を受けなければ基本的には大丈夫です。ただ、実際会社を経営していくのに、日本に経営者がいるのでは取引などが難しくなりますね。それから、会社を設立する際には、代表者のソーシャルセキュリティー(SS)ナンバーと、アメリカにおける住所が必要となりますから、設立に関する人がすべて日本にいるならば、何らかの形で弁護士に相談する必要がでてくるでしょうね。

 SS番号やカリフォルニア州での連絡先が必要なのは、何か訴訟になった場合、相手が訴状の送達をしなければなりませんし、税金を払うために必要なEINナンバーというのを手に入れなくてはならないからです。

 また、カリフォルニアで会社を設立するならば、基本的に会社を設立する時に必要な出資金、すなわち株を発行する際に必要な資本金は、カリフォルニアの銀行に一時入金されることをお勧めします。日本で出資者を募ることを考えられる方もいらっしゃるでしょうが、株を発行する際に、やはりカリフォルニア州にある口座の方が便利がよいのです。

 以上、考えてきたように外国人でもアメリカの会社を設立することは可能です。それは、自然人とは別の法人を設立するからなのです。ただ、いつでも会社を設立することと、その会社をもとにビザを取ることとは別問題だと理解しておいてください。

 

 

 

質問

 

「日本でコンピュータ関連のビジネスをしております。 アメリカでもソフトウェア開発関連の商売を展開していきたいと思っていますが、どのような形態でビジネスを展開すればよいでしょう」

 

 この質問はアメリカで新たに会社を設立させるか、それとも日本の会社をカリフォルニア州でビジネスをおこなえる外国法人として登録(登記)するかどちらがよいのかという論点に絞って考えていきましょう。

 日本の企業がアメリカに進出するとき、日本の会社の支店、または出張所という形でアメリカにおいてビジネスをはじめたいと思われる方が多いようです。 確かに、連絡系統も日本国内で決定できますし、指揮監督権の行使も簡単に決定できるという要素があるからだと思われます。 また、アメリカ国内で新たに現地法人を設立する手間隙をかけるよりも、まずは出張所という形にして様子を見ようと考えられる方もいるようです。 現地法人を持つ煩雑さというのも頭に引っかかるのでしょうね。 そういう訳で、私のところに相談にこれらる方の中にも日本の企業アメリカ進出を考えられているクライアントの方々がいらっしゃいますが、皆さん小さくスタートさせたいということで、日本の出張所の開設という形でのご相談を受けます。

 私は、出張所という形でのビジネスのスタートは一般的にお勧めしません。 日本企業がそのまま出張所をつくると以下のような弊害が出てくる可能性があるからです。 例を使って考えましょう。

 例えば、Aという日本で設立されコンピュータのソフトウェア関係の業務をしている会社があったとしましょう。 その会社がアメリカに進出して、ソフトウェアの輸出入や開発に携わりたいと計画していたとしましょう。 もし、日本にあるAという企業をカリフォルニアで外国法人Bとして登録すると、アメリカの出張所であるBにおいて何か問題が生じた場合、日本企業であるAがカリフォルニアで訴えられてしまうのです。そうなると、日本の会社Aを経営をしている人がカリフォルニアに来て証人喚問をしたり、裁判に出席しなくてはならなかったり、日本からわざわざ証拠を提出しなくてはならなかったり、いろいろ訴えられた日本企業にとっては不都合が生じる可能性があるのです。 一般的な感覚ですと日本の会社Aとアメリカの会社Bはこの場合、一心同体という感じでしょうか。 

 この例に比べて、日本の会社であるAがアメリカに進出する際に、アメリカで新たに現地法人Bをつくり、ビジネスをはじめたとしましょう。 カリフォルニアに新たに会社を設立するわけですから、その会社Bの責任者は、日本の会社Aの責任者とは法律上、まったく別なのです。ですから、何かアメリカで問題が起きて、会社Bが訴えられた場合でも、基本的には会社Aは訴えられることが無いのです。 

 この例に見るように、もしアメリカで商行為をするにあたって、ある程度、訴えられるリスクがある場合、現地法人の設立を考えたほうが良い場合が多々あります。 出張所の方が気軽に作れる感じはしますが、現地法人の方が長い目で見ると有利かもしれませんね。 

 

質問

 

「日本とアメリカを行ったり来たりして輸入業を営む者です。今度アメリカでも会社を設立したいと思っています。ところが株式会社にも色々な種類があると聞きました。通常の株式会社ではなくSコーポレーションという会社があるということですが、通常の株式会社とどのような違いがあるのか教えてください」

 

 アメリカで株式会社というと代表的なのは通常Cコーポレーションという形で設立されたものです。このCコーポレーションというのは伝統的な株式会社と思ってください。Sコーポレーションと区別するためにこのように呼ばれますが、通常株式会社というとCコーポレーションのことを指します。なぜ、CとかSとかを使うかというと、ある法律の条文でC項に規定されている株式会社とS項に規定されている株式会社があるからなのです。性質が異なるため区別が必要ですから、CとかSとかを株式会社を呼ぶときにつけるようになったのです。

 このCコーポレーションとSコーポレーションとの違いははっきり言って税金の支払いについての違いにつきます。考えていきましょう。

 伝統的に株式会社を設立するとまずSS-4と呼ばれる書類をアメリカ国税局(IRS)に提出します。この書類によって株式会社は法人税を支払うためにアメリカ政府に登録されてしまいます。このSS-4の登録についてはアメリカ政府の対応とは思えないくらいの速さで受理してくれます。 まあ、当たり前ですよね。税金を払ってくれる団体が一つ増えるのですから。 政府への登録が終了すると、株式会社は法人として認められて法人税の支払いをはじめなくてはなりません。株式会社は個人とはまったく別の独立した存在ですから、個人とは別の法人税を支払うことになるのです。株式会社を経営している人は、個人の税金申告をしなくていけないことはもちろんですが、株式会社の法人税の申告もしなくてはならないのですね。 これが伝統的な株式会社であり、Cコーポレーションと呼ばれるものです。

 ではなぜ株式会社をつくる人が後を絶えないのでしょう。それは株式会社を設立することにより「おいしい」部分があるのです。 会社をつくるメリットとして一番に挙げられるのが、「有限責任」と呼ばれるコンセプトです。 「有限責任」の内容を例を使って考えましょう。 太郎さんは自分のお金を出資して飲食店を経営しているとしましょう。 そして不幸なことに食中毒などのトラブルが発生したと仮定しましょう。 食中毒になった人が太郎さん個人を訴えてきた場合には、太郎さんの持っている財産にも損害賠償責任の対象になってしまう可能性がでてきます。つまり店で失敗をしてしまうと、個人の財産も脅かされることになります。 これは家族などいる場合には非常に怖いことですね。 ところが、会社を作って、会社が飲食店を経営していたとしましょう。 この場合、食中毒が起きて会社が訴えられた場合には、経営者個人の財産は基本的には脅かされず、個人が資本金として会社に提供した額の範囲内でしか金銭的な責任しか負いません。 つまり個人の財産は守られることになるのですね。このように株式会社を設立すると、会社の責任というのは会社が集めた資本金の範囲内にしか発生しないことになります。この限度がある責任を「有限責任」と呼びます。

 有限責任を生じさせるのが株式会社の特徴でもありメリットでもあるのですが、あまり大きな会社でないと、法人税の申告と個人の申告をするのが大変ですし、面倒くさいですね。この「有限責任」の「おいしさ」を持ちつつ、税金の申告の複雑さを回避できたら魅力的ですよね。 このことを許したのがSコーポレーションです。 

 

 さて、Sコーポレーションを実際につくる手続で、伝統的なCコーポレーションとどこが違うのでしょう。基本的な設立方法はCもSも全く変わりません。 法律的にはちょっとした書類の操作だけですむのです。 違いは税金の申告に関して、IRSに提出する書類に違いがあります。 税金に関する書類にForm 2553というものがあります。この書類は通常会計士が用意するのですが、弁護士と会計士に聞いて、どちらが作成してくれるのかはっきりさせておくとよいと思います。

 ですからSに関するForm2553をIRSに提出しなければ自動的に税金に関してはCコーポレーションとみなされます。 税金に関してもう一度考えましょう。 Cコーポレーションにすると、株主に利益を支払う場合には、株式会社で一度税金を払い、利益を享受した株主がもう一度支払うという二重課税になります。 つまり、株式会社の法人税は収入の最初の5万ドルに対して、15パーセント、次の2万5千ドルに対して25パーセント、それより多い場合には34パーセントとなり、税金は増えていきます。その税金を支払った後に、個人に利益として(給料として受け取る分は除く)二重に課税されることになります。これをSコーポレーションの形をとると法人税を支払う必要がなく、利益に対しては個人の税金申告一本で終わらせることができるのです。 ただし、会社が給与しか払わなく、利益がでることもない、それに生み出された利益をそのまま会社の拡張に充てるという場合には、Cコーポレーションでもあまり違いはないかもしれませんね。 またコーポレーションにしておくと、会社の利益に対してSelf Employment Taxを支払う必要がないので、個人事業主にはSコーポレーションにしておくと得かもしれません。税金について、詳しく知りたい場合には個別に会計士に相談されることをお勧めします。

 Sコーポレーションを作る際にひとつだけ大きな制限があります。それは、外国人で永住権をもたない人はSコーポレーションをつくることができないということです。 ですから、日本からいらした人が、永住権のないままでSコーポレーションの株主になるということはできません。

 Sコーポレーションとは別にカリフォルニアではLLCという形の団体が許されています。 この団体でもCコーポレーションに比べてある程度の税金対策が可能です。

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